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ある照明家

三田さんという照明家さんがいます。
㈱ライトスタッフという照明家集団の主宰で、
千本桜ホールという小劇場のオーナーだった人。

三田さんとの出会いはかれこれ15年前。
野村と初めて学校(造形大、多摩美大)以外でやった公演、
それが千本桜ホールでした。

演目は「ビリー☆ザ☆キッド~アメリカンドリーム・アワー~」。
西部劇と時代劇をくっつけたようなお話で、
なおかつ近松の「女殺油地獄」を題材としている、はちゃめちゃな物語を書きました。

臆病でひきこもりがちなガンマン・ウイリアム・H・ボニーという少年を、
暗殺を逃れて海を渡った坂本竜馬がヒーローに育て上げるという、筋。

で、そのラストシーンが油屋(ほんとにメチャクチャな話です……)。

僕はどうしても、
ビリー・ザ・キッドが油樽のなかから
ザバーンと二挺拳銃構えたポーズで出てくる姿が見たくて、
何を思ったか、樽のなかを墨汁でいっぱいにしたのでした。

で、ゲネプロ(リハーサル)。
小屋のオーナー・三田さんが覗きに来ました。

エンディング、
ビリー役の近藤という役者が意気揚々、樽のなかから銃を構えて飛び出す。
同時に樽が倒れる。
当たり前だが、樽の中身の墨汁が流れ出す。
液体だから、客席まで流れ込む。
銃撃戦の最中、ほかの樽も倒れ、またまた墨汁が濁流のごとく……。

劇場中、墨汁まみれ……。

見たかった画が見れて、大満足の僕。
ふと後ろを向くと、オーナー三田さんは唖然。
で、烈火のごとく怒られた。

劇場を墨汁まみれにしてはいけない、
なんて事、知りませんでした。
初めての学外公演。はじめての劇場での上演。
ほんとうに何も知りませんでした。
(今思えば、そんなことは人に教えられることではなく、常識なのだが……)

けれど、
すんごい怒った後で、三田さんがポツリ、
「照明が良くねえ。ありゃ、素人だろ。ちょっと、そこをどけ」
と言って、ブース(照明さんや音響さんが操作をする部屋)に行きます。

「なにすんだろ~?」と思っていたら、
オープニングからエンディングまで、
一気に全シーンの照明プランを作り直してくれました。

その上、急遽、オペ(操作)を自分の弟子にやらせ、
本番中立ち合ってくれたのでした。

すべての公演を終え、劇場を出るとき、あいさつに行くと、
三田さんは「これ、打ち上げで飲め」と言って、一升瓶をくれました。

不思議な人だ……と思ったけれど、
なにせ初めてのことなので、劇場主とはみんなこーいう人なんだろうな…と。

後で知ったことですが、
この三田さんという照明家は、すごい経歴の持ち主で、
ふつうに雇ったら、とんでもない額になってしまうそうで……。

あれから15年……。
その三田さんに、また照明をやってもらう機会に恵まれました。
「泥つき~権助を探して~」、一昨年の芸術劇場公演で。

15年前にはよくわからなかったけど、
さい子の美術を照らす三田さんの照りは……本当に良かった……。

で、
次回ダニーローズの紀伊國屋公演、
さい子の美術、三田さんの照明、
二人に志らくさんをバックアップしてもらいます。
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